ビジネス実務法務検定試験® 3級 問題集

ビジネス実務法務検定試験® 3級 対策民法・会社法・商法・労働基準法・知的財産法・独占禁止法・消費者契約法・個人情報保護法ほか36法令(2026年11月1日時点の版)に準拠

ビジネス実務法務検定試験® 3級の日本語問題集。全180問に解説つき。

ビジネス実務法務検定試験® 3級 無料問題 1 / 10 ・ 分野1: ビジネス実務法務の法体系

ある業界には、民法の任意規定と異なる取引の慣習がある。A社とB社の契約書にはこの点の定めがないが、両社がその慣習による意思を有していると認められる。民法上、この点に適用されるものとして正しいものはどれか。

  1. 慣習は法律ではないので、民法の任意規定も慣習も使わずに裁判所が公平に決める
  2. 契約書に定めがない以上、民法の任意規定が適用され、慣習は考慮されない
  3. 慣習が適用されるのは、両社が商人で、その慣習が商慣習として登記されている場合である
  4. その慣習のほうが適用され、民法の任意規定はその点について適用されない
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正解: D

正解の理由
民法第92条は、法令中の公の秩序に関しない規定(任意規定)と異なる慣習がある場合に、当事者がその慣習による意思を有していると認められるときは、その慣習に従うと定める。契約書に書いていなくても、当事者がその慣習を前提に取引していると認められれば、慣習が任意規定より先に契約の内容を補う。

違う選択肢
「契約書に定めがない以上、民法の任意規定が適用され、慣習は考慮されない」… 契約書に書かれていない点を任意規定だけで埋めると考えている。第92条は、明示の合意がなくても、当事者が慣習による意思を持っていると認められれば慣習に従うとする。書面の有無ではなく、当事者の意思が慣習を前提にしているかで決まる。
「慣習は法律ではないので、民法の任意規定も慣習も使わずに裁判所が公平に決める」… 契約の欠けた部分を裁判所が裁量で埋めるという考え方で、第92条の仕組みと違う。民法は、まず当事者の合意、次に当事者が従う意思を持つ慣習、それも無ければ任意規定という順で契約の内容を補う。裁判所はこの順で解釈する。
「慣習が適用されるのは、両社が商人で、その慣習が商慣習として登記されている場合である」… 慣習を登記する制度は無い。商法第1条第2項は商事について商慣習を民法に優先させているが、民法第92条は当事者が商人かどうかを問わず、慣習による意思があると認められることを要件にしている。

補充の順序
契約の内容は、当事者の合意→当事者が従う意思を持つ慣習(第92条)→任意規定の順で決まる。公の秩序に関する規定(強行規定)は、合意でも慣習でも動かせない(第90条・第91条の反対解釈)。商取引では、商法第1条第2項が「商慣習に従い、商慣習がないときは民法の定めるところによる」と定める。

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