ビジネス実務法務検定試験® 3級 無料問題 6 / 10 ・ 分野5: 債権の管理と回収
A社は、B社から修理を頼まれた機械を修理したが、B社は修理代金を支払わない。修理代金は弁済期にある。民法上、A社ができることとして正しいものはどれか。
- 修理代金とは関係のない、B社への別の売掛金のためにも機械を留置できる
- B社との間に留置権を設定する契約がなければ、機械を留置できない
- 代金の支払を受けない間は、機械を留置して引渡しを拒むことができる
- 機械を留置したまま、A社の判断で売却して修理代金に充てることができる
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正解: C
正解の理由
民法第295条第1項は、他人の物の占有者は、その物に関して生じた債権を有するときは、その債権の弁済を受けるまで、その物を留置することができるとし、ただしその債権が弁済期にないときはこの限りでないと定める。修理代金はその機械に関して生じた債権なので、A社は機械を手元にとどめて、支払を間接的に促すことができる。留置権は当事者の合意がなくても法律上当然に生じる担保物権である。
違う選択肢
「B社との間に留置権を設定する契約がなければ、機械を留置できない」… 留置権を約定の担保と考えている。留置権は第295条の要件を満たせば法律上当然に生じ、設定の契約は要らない。
「機械を留置したまま、A社の判断で売却して修理代金に充てることができる」… 留置権に優先弁済の効力があると考えている。留置権は物を留置して支払を促す権利で、自由に売却して代金を優先的に受け取る権利ではない。
「修理代金とは関係のない、B社への別の売掛金のためにも機械を留置できる」… 牽連性を落としている。民法の留置権は、その物に関して生じた債権のために認められる(第295条第1項)。関係のない債権のためには留置できない。
押さえどころ
民法の留置権は「物に関して生じた債権」「弁済期」「占有が不法行為で始まったものでない」が要件(第295条)。商人間では、商行為によって生じた債権のために、債務者の物を留置できる商事留置権(商法第521条)があり、物と債権の関係は要らない。