ビジネス実務法務検定試験® 3級 無料問題 8 / 10 ・ 分野6: 企業と会社のしくみ
A株式会社は、代表取締役ではない取締役Bに「副社長」の名称を使わせていた。BはA社を代表して、Bに代表権がないことを知らないC社と売買契約を結んだ。会社法上、正しいものはどれか。
- A社は、代表権のないBの行為について、善意のC社に対して責任を負う
- Bに代表権はないので、契約の責任はB個人が負う
- A社が責任を負うには、Bが代表取締役として登記されていることが要る
- A社は、C社が代表権のないことを知っていても責任を負う
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正解: A
正解の理由
会社法第354条は、株式会社は、代表取締役以外の取締役に社長、副社長その他株式会社を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該取締役がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負うと定める(表見代表取締役)。副社長の名称を信じて取引したC社は保護され、A社は契約の責任を負う。判例は、第三者に重大な過失がある場合は保護しないとしている。
違う選択肢
「Bに代表権はないので、契約の責任はB個人が負う」… 表見代表取締役を考えていない。代表する権限があると認められる名称を付した取締役の行為について、会社は善意の第三者に責任を負う(第354条)。
「A社が責任を負うには、Bが代表取締役として登記されていることが要る」… 登記を要件にしている。第354条は、代表権があると認められる名称の付与を要件にしており、代表取締役としての登記は要らない。
「A社は、C社が代表権のないことを知っていても責任を負う」… 相手方の悪意を問わないと考えている。第354条が保護するのは善意の第三者で、知っていた相手方は保護されない。
押さえどころ
表見代表取締役(第354条)は、会社が名称を付けたことへの責任。名称の使用を黙認していた場合も含まれる。会社の役職名を対外的に使わせるときは、代表権の有無と合わせて管理する。