知的財産管理技能検定 3級 無料問題 6 / 10 ・ 分野3: コンテンツ保護
X社の広報部員は、社外の専門家5人から寄稿を受けた論文を選んで並べ、記念論文集を作った。論文集は編集著作物にあたる。広報部員は、このうち1本の論文を自社のウェブサイトに載せたいと考えている。最も適切なものはどれか。
- 論文集を編集したX社が許せば、執筆者の許諾は要らない
- ウェブへの掲載は、論文集に収めたときの許諾の範囲に当然含まれる
- 論文集として刊行した後は、収めた論文の著作権はX社に移っている
- 論文集とは別に、載せる論文の執筆者から利用の許諾を得る
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正解: D
正解の理由
著作権法第12条第2項は、編集著作物の保護は、その編集物の部分を構成する著作物の著作者の権利に影響を及ぼさないと定める。論文集が編集著作物として守られても、収めた各論文の著作権は執筆者に残る。1本の論文をウェブに載せるのは、その論文の複製と公衆送信なので、執筆者の許諾が要る。
違う選択肢
「論文集を編集したX社が許せば、執筆者の許諾は要らない」… 編集著作物の権利で部分の利用まで決まると考えている。第12条第2項により、各論文の著作者の権利は編集著作物の保護と別に残る。X社の許しだけでは足りない。
「論文集として刊行した後は、収めた論文の著作権はX社に移っている」… 刊行で権利が移ると考えている。著作権が移るのは譲渡の契約などによる場合で、論文集に収めたことで移る定めは無い。第12条第2項は部分の著作者の権利に影響しないと定める。
「ウェブへの掲載は、論文集に収めたときの許諾の範囲に当然含まれる」… 許諾の範囲を広げている。論文集に収める許諾と、ウェブに載せる許諾は別である。ウェブへの掲載は公衆送信にあたり、収録の許諾の範囲に入っていなければ、改めて許諾が要る。
押さえどころ
論文集・作品集・社史のように他人の著作物を集めた物では、全体の編集の権利と、中の1本1本の権利が重なる。一部を別の媒体で使うときは、その部分の著作者の許諾を取り直す。