知的財産管理技能検定 3級 無料問題 8 / 10 ・ 分野5: 契約
X社は、Y社に新製品のパッケージのデザインの制作を依頼し、完成した図案を引き渡してもらう請負の契約を結んだ。制作の途中で、X社は新製品の計画を取りやめ、契約を終わらせたいと考えた。Y社はまだ仕事を完成していない。民法上、最も適切なものはどれか。
- Y社に債務の不履行が無いので、X社は仕事の完成まで契約に拘束される
- X社は、Y社の損害を賠償して、契約の解除をすることができる
- X社は、着手した分の報酬を払えば、損害の賠償をせずに契約の解除をすることができる
- X社が契約の解除をするには、Y社の同意を得ることが要る
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正解: B
正解の理由
民法第632条は、請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって効力を生ずると定める。第641条は、請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができると定める。注文者にとって要らなくなった仕事を最後まで続けさせても意味が無いので、請負人の損害を埋めることを条件に、注文者から契約を終わらせられるようにしている。
違う選択肢
「Y社に債務の不履行が無いので、X社は仕事の完成まで契約に拘束される」… 注文者の解除権を見落としている。第641条は、請負人が仕事を完成しない間は、注文者は損害を賠償して契約を解除できるとする。請負人に不履行が無くても解除できる。
「X社が契約の解除をするには、Y社の同意を得ることが要る」… 同意を要件にしている。第641条の解除は、注文者が一方的にできるもので、請負人の同意は要らない。代わりに、請負人の損害を賠償する。
「X社は、着手した分の報酬を払えば、損害の賠償をせずに契約の解除をすることができる」… 損害の賠償を落としている。第641条は、注文者の解除に「損害を賠償して」という条件を付けている。損害の賠償をしないで済むわけではない。
押さえどころ
デザインやソフトウェアの制作を外に頼む契約は、請負になることが多い。完成前に注文者の都合でやめるときは、請負人の損害を賠償する。制作の途中で生まれた図案の著作権の扱いも、契約で決めておく。