知的財産管理技能検定 3級 無料問題 10 / 10 ・ 分野7: 関係法規
Y社は、X社の商品等表示に似た表示を自社の商品に使い、不正競争防止法第2条第1項第1号の不正競争にあたると認められた。Y社には過失があった。X社は、自社の売上げがいくら減ったかを示す資料を十分に持っていない。不正競争防止法第5条に関して、最も適切なものはどれか。
- Y社が得た利益の額を損害の額とするには、Y社に故意があったことを示す必要がある
- X社が請求できるのは、売上げが減った額のうち、X社が資料で示せた部分である
- 商品等表示の使用に対し受けるべき金銭の額を請求できるのは、X社が他社に使用を許していた場合である
- X社は、商品等表示の使用に対し受けるべき金銭の額に相当する額を、損害の額として請求できる
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正解: D
正解の理由
不正競争防止法第5条第3項は、第2条第1項第1号などの不正競争によって営業上の利益を侵害された者は、故意又は過失により自己の営業上の利益を侵害した者に対し、第1号の不正競争では当該侵害に係る商品等表示の使用に対し受けるべき金銭の額に相当する額の金銭を、自己が受けた損害の額としてその賠償を請求することができると定める(同項第1号)。売上げの減少を細かく示せなくても、少なくとも使用の対価にあたる額を取り戻せるようにしている。
違う選択肢
「X社が請求できるのは、売上げが減った額のうち、X社が資料で示せた部分である」… 資料で示せた部分にとどめている。第5条第3項は、使用に対し受けるべき金銭の額に相当する額を、損害の額として請求できるとする。売上げの減少を示せなくても、この額を請求できる。
「Y社が得た利益の額を損害の額とするには、Y社に故意があったことを示す必要がある」… 故意を要件にしている。第5条第2項は、故意又は過失により侵害した者がその侵害の行為により利益を受けているときは、その利益の額を損害の額と推定するとする。過失でも働く。
「商品等表示の使用に対し受けるべき金銭の額を請求できるのは、X社が他社に使用を許していた場合である」… 許諾の実績を要件にしている。第5条第3項は、受けるべき金銭の額に相当する額を損害の額として請求できるとし、X社が他社に使用を許していたことを求めていない。
押さえどころ
損害の額を示す助けは3つ。侵害者が譲渡した数量に自社の単位数量当たりの利益を掛ける方法(第1項)、侵害者の利益を損害の額と推定する方法(第2項)、使用に対し受けるべき金銭の額を損害の額とする方法(第3項)。どれも、侵害した者に故意又は過失があることが前提になる。