FP技能検定2級 学科 無料問題 6 / 10 ・ 分野3: 金融資産運用
金融商品の販売会社の担当者が、個人の顧客Eさんの自宅を訪ねて投資信託の購入を勧誘した。Eさんは何度も「帰ってください」と伝えたが、担当者は帰らずに勧誘を続け、困惑したEさんは購入を申し込んだ。この申込みに関する次の記述のうち、消費者契約法に照らして最も適切なものはどれか。
- Eさんは、退去を求めても担当者が帰らず、困ったうえで決めたことを理由に、その意思表示を取り消せる
- 担当者が帰らずに居座っても、事実と違う説明が無ければ、取消しの理由にならない
- 契約はEさん自身の申込みで成立しているので取り消すことはできず、Eさんは損害賠償を求めることしかできない
- 居座りを理由に取り消せるのは、販売会社の店舗で勧誘を受けた場合に限られ、自宅での勧誘は含まれない
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正解: A
正解の理由
消費者契約法 第4条第3項は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、消費者に対して一定の行為をしたことにより消費者が困惑し、それによって申込みまたは承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができると定める。その行為として、第1号は、消費者がその住居またはその業務を行っている場所から退去すべき旨の意思を示したにもかかわらず、それらの場所から退去しないこと(不退去)を、第2号は、勧誘をしている場所から消費者が退去する旨の意思を示したにもかかわらず、その場所から消費者を退去させないこと(退去妨害)を挙げる。Eさんの場合は第1号に当たり、困惑して申し込んだ意思表示を取り消せる。
違う選択肢
「契約はEさん自身の申込みで成立しているので取り消すことはできず、Eさんは損害賠償を求めることしかできない」… 第4条第3項は、事業者の一定の行為により消費者が困惑し、それによって申込みの意思表示をしたときは、これを取り消すことができると定めている。自分で申し込んだ契約でも取り消せる。
「担当者が帰らずに居座っても、事実と違う説明が無ければ、取消しの理由にならない」… 第4条第3項第1号は、消費者が住居から退去すべき旨の意思を示したにもかかわらず事業者が退去しないことを、取消しの理由となる行為に挙げている。うその説明(第4条第1項)が無くても、居座りだけで取消しの理由になる。
「居座りを理由に取り消せるのは、販売会社の店舗で勧誘を受けた場合に限られ、自宅での勧誘は含まれない」… 第4条第3項第1号は、消費者の住居またはその業務を行っている場所から退去しないことを挙げている。店舗など勧誘の場所から消費者を帰さないこと(退去妨害)は、第2号で別に挙げている。
似た制度との違い
消費者契約法の取消しには、うその説明や断定的な判断のように「誤認」させたもの(第4条第1項・第2項)と、居座りや帰さないことのように「困惑」させたもの(第4条第3項)がある。どちらも契約をなかったことにする取消しで、金融サービス提供法の損害賠償とは効果が違う。