応用情報技術者試験 科目A 無料問題 1 / 10 ・ 分野1: 基礎理論
M/M/1 の待ち行列モデルに従う窓口がある。1件当たりの平均サービス時間は変えずに、平均到着率だけが増えた結果、窓口の利用率が 0.5 から 0.8 に上がった。平均待ち時間(到着してからサービスを受け始めるまでの時間)は、何倍になるか。
- 1.6 倍
- 2.5 倍
- 3.0 倍
- 4.0 倍
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正解: D
正解の理由
M/M/1 の平均待ち時間は、利用率を ρ、平均サービス時間を Ts とすると ρ/(1−ρ)×Ts である。ρ=0.5 のとき 0.5/0.5×Ts=1Ts、ρ=0.8 のとき 0.8/0.2×Ts=4Ts になる。Ts は変わらないので、平均待ち時間は 4 倍になる。利用率が1に近づくと分母の 1−ρ が小さくなり、待ち時間は利用率の伸びよりずっと速く伸びる。
違う選択肢
「1.6 倍」… 0.8÷0.5=1.6 は利用率の比である。待ち時間は ρ/(1−ρ) で決まり、利用率に比例しないので、比をそのまま当てると伸びを小さく見積もる。
「2.5 倍」… Ts/(1−ρ) は、待ち時間にサービス時間を足した平均応答時間で、2Ts から 5Ts へ 2.5 倍になる。問われているのはサービスを受け始めるまでの時間なので、サービス時間の分を含めない。
「3.0 倍」… 待ち時間が 1Ts から 4Ts へ増えた分の 3Ts を、元の 1Ts で割った値である。これは「3倍増えた」という増分の割合で、「何倍になったか」を問われたら、新しい値を元の値で割って 4Ts÷1Ts=4 とする。増分と倍率を取り違えると、伸びを1倍分小さく見積もる。
押さえどころ
この計算から、利用率 0.5 の窓口では待ち時間がサービス時間と同じ長さ、0.8 では4倍、0.9 では9倍になる。システムの応答時間を見積もるとき、CPU やディスクの利用率を高く設計すると待ちが急に増える理由はここにある。件数と時間は、リトルの公式(件数=到着率×時間)で行き来できる。