応用情報技術者試験 科目A 問題集

応用情報技術者試験(AP)科目A(旧 午前)対策応用情報技術者試験シラバス Ver.7.2・試験要綱 Ver.5.6 準拠

応用情報技術者試験 科目Aの日本語問題集。全180問に解説つき。

応用情報技術者試験 科目A 無料問題 9 / 10 ・ 分野8: 経営戦略

定額制の会員サービスで、会員1人あたりの年間の売上は 60,000円、売上に対する粗利の割合は 30% である。1年目は入会した会員の全員が利用し、2年目以降は、前年に利用した会員の 80% が翌年も利用を続ける(リテンション率 80%)。割引や会員の獲得の費用は考えない。粗利で見た会員1人あたりの LTV(Life Time Value)はいくらか。

  1. 90,000円
  2. 300,000円
  3. 22,500円
  4. 240,000円
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正解: A

正解の理由
LTV は、1人の顧客が取引を始めてから終えるまでの間に、企業にもたらす価値の合計である。会員1人の年間の粗利は 60,000 × 30% = 18,000円 で、1人の会員が利用する年数の見込みは、1年目の 1 に、2年目の 0.8、3年目の 0.64 … を足した 1 ÷ (1 − 0.8) = 5年 になる。したがって LTV は 18,000 × 5 = 90,000円 である。リテンション率が 80% から 90% に上がると見込みの年数は 10年 になり、LTV は2倍になる。獲得の費用を LTV と比べ、1人の獲得にいくらまでかけられるかを決めるのが、この値の主な使い道である。

違う選択肢
「22,500円」… 18,000 ÷ 0.8 で、年間の粗利をリテンション率そのもので割っている。続ける率で割ると年数が 1.25年 にしかならず、何年も続く会員の価値をほとんど数えない。見込みの年数は、やめる率(1 − 0.8 = 0.2)で割って出す。
「240,000円」… 60,000 × 4 で、粗利でなく売上を使い、さらに見込みの年数を 0.8 ÷ (1 − 0.8) = 4年 として1年目を数えていない。2つの取り違えが重なり、売上にしたことで大きく出る分と、1年目を落として小さく出る分が打ち消し合わない。LTV が大きく出ると、獲得の費用をかけすぎる判断につながる。
「300,000円」… 60,000 × 5 で、粗利ではなく売上で計算している。サービスを提供する費用を引いていないので、獲得にかけられる上限を売上の規模で見積もることになり、会員が増えるほど赤字が膨らむおそれがある。

押さえどころ
シラバスは CX デザインの用語例に、LTV とリテンション率、コンバージョン率、顧客ロイヤルティを並べている。新しい顧客の獲得より既存の顧客の継続に力を入れる施策の効果は、リテンション率を通じて LTV に表れる。年数の見込みを 1 ÷ (1 − リテンション率) と置けるのは、毎年同じ率で続く場合だけで、1年目に限ってやめる会員が多いサービスでは年ごとに数えて足す。

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