通関士試験 無料問題 9 / 10 ・ 分野7: その他通関手続の実務
課税価格の決定における特殊関係の証明及び特殊な輸入貨物の課税価格(関税定率法施行令第1条の6・第1条の12)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。すべてを選びなさい。
- 特殊関係の影響がないことの証明に用いる価格差の調整は、輸入貨物そのものの取引価格に、価格表等で求めた価格差を加減して行う
- 価格差の調整は、取引段階と取引数量の差異について行い、運賃等の差異は価格差が生じても対象外である
- 計算の要件を欠く事項でも、合理的な調整を加えて要件を満たすときは、その調整を加えて第4条から第4条の3までの方法で計算する
- 価格差の調整に用いる費用は、売手と買手との間に特殊関係があるときに買手が負担することとなる運賃等の費用をいう
- 特殊関係の影響がないことの証明をしようとする者は、輸入申告に際して、価格差の調整の内容等を書面にして税関長に提出する
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正解: C・E
正解の理由
正しい記述は次の2 つで、すべてを選んだときだけ正解になる。
〇 「特殊関係の影響がないことの証明をしようとする者は、輸入申告に際して、価格差の調整の内容等を書面にして税関長に提出する」
関税定率法施行令第1条の6第3項は、定率法第4条第2項ただし書の証明をしようとする者は、「輸入申告(…特例申告…)に際して」、輸入貨物の取引価格、同種又は類似の貨物に係る課税価格、調整の内容その他参考となるべき事項を記載した書面を税関長に提出しなければならないと定める。特例申告貨物では特例申告に際して出す。
〇 「計算の要件を欠く事項でも、合理的な調整を加えて要件を満たすときは、その調整を加えて第4条から第4条の3までの方法で計算する」
関税定率法施行令第1条の12第1号は、第4条から第4条の3までの方法による計算の基礎となる事項の一部が要件を満たさないため計算できない場合に、要件を満たさない事項に「合理的な調整を加えることにより」要件を満たすこととなるときは、「当該調整を加えてこれらの規定に規定する方法により計算される価格」を、定率法第4条の4の課税価格とすると定める。
違う選択肢
「価格差の調整は、取引段階と取引数量の差異について行い、運賃等の差異は価格差が生じても対象外である」… 関税定率法施行令第1条の6第2項は、調整の対象として「取引段階、取引数量若しくは同条第一項各号に掲げる運賃等の差異又は前項に定める費用の差異により生じた価格差」を挙げる。運賃等の差異も調整する。
「特殊関係の影響がないことの証明に用いる価格差の調整は、輸入貨物そのものの取引価格に、価格表等で求めた価格差を加減して行う」… 関税定率法施行令第1条の6第2項は、価格差に係る調整は、「当該輸入貨物と同種又は類似の貨物に係る」課税価格に、価格表その他の資料に基づいて計算した価格差を加減して行うと定める。比べる相手の側(同種又は類似の貨物の課税価格)を調整する。
「価格差の調整に用いる費用は、売手と買手との間に特殊関係があるときに買手が負担することとなる運賃等の費用をいう」… 関税定率法施行令第1条の6第1項は、定率法第4条第2項ただし書の政令で定める費用を、運賃等以外の費用のうち、「特殊関係にない売手と買手との間の輸入取引においては当該売手により負担される費用であつて、売手と買手との間に特殊関係があることにより当該売手によりその全部又は一部が負担されない費用」とする。運賃等は含まない。
押さえどころ
定率法第4条第2項ただし書の証明で同種・類似の貨物の課税価格と比べるときは、取引段階・数量・運賃等の差と、特殊関係のために売手が負担しない費用の差を、価格表などの資料に基づいて調整する(施行令第1条の6第1項・第2項)。証明は輸入申告(特例申告貨物は特例申告)に際して書面で行う(同条第3項)。第4条から第4条の3までで決められない貨物(第4条の4)は、要件を欠く事項に合理的な調整を加えて元の方法で計算し、それでも決められなければ、評価協定に適合する方法として税関長が定める方法による(施行令第1条の12)。