通関士試験 無料問題 10 / 10 ・ 分野8: 通関書類の作成要領
別紙1の仕入書及び下記事項により、フランスから化粧品及び雑貨を輸入する場合の輸入(納税)申告を輸出入・港湾関連情報処理システム(NACCS)を使用して行う場合について、次の問いに答えなさい。 (1) 別紙2の輸入申告事項登録(繰返部)の品目番号欄((a)〜(e))に入力すべき品目番号を、関税率表の解釈に関する通則に従い、別冊の「実行関税率表」(抜粋)及び「関税率表解説」(抜粋)を参照して、下の選択肢から選びなさい((a)〜(e) は同じ15択)。 (2) 別紙2の課税価格欄((f)〜(j))に入力すべき申告価格(関税定率法第4条から第4条の9までの規定により計算される課税価格に相当する価格)を、円で入力しなさい。 本サイトの配点: 品目番号 各1点・課税価格 各2点(計15点。第59回の正答表の配点に合わせた。第60回の欄ごとの配点は公表されていない)。品目番号の10桁目は、実行関税率表のNACCS用の数字(別冊の「NACCS用」欄)による。 記 1 別紙1の仕入書に記載されている品目に品目番号が同一であるものがある場合には、これらを一の品目番号にとりまとめる。 2 品目番号ごとの申告価格が20万円以下であるものがある場合には、その品目番号が異なるものであっても、これらを関税が有税である品目と無税である品目に分けて、それぞれを一括して一欄にとりまとめる。 3 上記2による場合に入力する品目番号は、次のとおりとする。 (1) 有税である品目については、上記2によりとりまとめる前の品目のうち関税率が最も高いもの(同一の関税率が適用される場合は申告価格が最も大きいもの)の品目番号とし、10桁目は「X」とする。 (2) 無税である品目については、上記2によりとりまとめる前の品目のうち申告価格が最も大きいものの品目番号とし、10桁目は「X」とする。 4 一欄に一品目のみに係る品目番号を入力することとなる場合であって、当該一品目の申告価格が20万円以下であるときは、その品目番号の10桁目は「E」とする。 5 上記1のとりまとめ方法と上記2のとりまとめ方法の両方が適用できる場合には、上記1のとりまとめ方法を優先して適用する。 6 品目番号((a)〜(e))は、その品目番号ごとの申告価格(上記1又は2によりとりまとめたものについては、その合計額)が大きいものから順に入力する。 7 課税価格((f)〜(j))には、別紙1の仕入書に記載されている価格に、下記の費用のうち申告価格に算入すべきものの額を加算した額(本邦通貨に換算した後の額)を入力する。1円未満の端数は切り捨てる。 8 別紙1の仕入書に記載されている米ドル建価格の本邦通貨への換算は、別紙3の「実勢外国為替相場の週間平均値」を参照して行う。 9 「Eau de parfum」について、輸入者(買手)は、仕入書価格とは別に、香水の瓶を1本ずつ収める化粧箱(当該香水の通常の容器と同一の種類及び価値を有するもの)の費用60.00米ドルを輸出者(売手)に支払う。 10 「Toilet soap」の代金は、貨物の受領後90日に支払う延払条件による。輸入者(買手)は、仕入書価格とは別に、延払金利90.00米ドルを輸出者(売手)に支払う。延払金利の額は書面で取り決められ、仕入書価格と区別されている。また、輸入者(買手)は、税関の要請があれば、延払金利を含まない価格で当該貨物が現実に販売されていること、及び延払金利の利率が一般的な水準を超えないことを示す資料を提示できる。 11 「Toilet soap」は化粧用のせっけんで、棒状にしたものである。「Scented candles」は、パラフィンろうに香料を加えて作ったろうそくである。 12 「Artificial flowers of plastics」はプラスチック製の花弁・葉等を結束して作った人造の花を、「Artificial flowers of silk」は絹織物を切り抜いた花びらを針金に結束して作った人造の花を、それぞれ花束にしたものである。 13 「Refillable gas lighters」は、ガスを燃料とし、ガスの詰替えができる携帯用ライターで、貴金属を使用していないものである。 14 関税率は、別冊の実行関税率表の基本税率とWTO協定税率のうち低いほうを適用する。別紙1の仕入書の化粧品及び雑貨は、経済連携協定に基づく税率及び特恵税率の適用に必要な条件を具備していないため、これらの税率は適用しない。 15 輸入者(買手)、輸出者(売手)及び記に掲げる者のいずれの間においても特殊関係は無い。記に掲げる費用のほかに、課税価格に関係する費用は無い。 16 申告年月日は、令和8年8月19日(水曜日)とする。
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正解の理由
関税率は、実行関税率表の基本税率と WTO 協定税率のうち低いほうを当てる(EPA・特恵の税率は記の条件により当てない)。せっけん・香水・ろうそくは基本税率が有税でも協定税率が「無税」なので無税の品目、ライター(9613.20)は協定税率の欄に(4.3%)とあっても基本税率が無税なので無税の品目になる。換算は、申告の日(8月19日・水曜日)の属する週(8月16日〜8月22日)の前々週(8月2日〜8月8日)の週間平均値 146.85円による。
(a) 3401.11-0005 … 1欄(品目 1)。品目1 の化粧用せっけん(34.01 項・3401.11)は、基本税率 5.5% に対し協定税率が無税で、無税の品目。20万円を超えるので単独の欄。10桁目は NACCS 用の数字「5」。
(b) 3303.00-0002 … 2欄(品目 2)。品目2 の香水(33.03 項・3303.00)は無税。容器の費用を加えても加えなくても20万円を超えるので単独の欄。10桁目は「2」。
(c) 3406.00-000X … 3欄(品目 6・7)。無税の少額品目は、品目6(ろうそく・3406.00。基本税率 3.9% だが協定税率が無税)と品目7(詰替えのできる携帯用ライター・9613.20)。1欄にまとめ、価格の大きい品目6 の番号に「X」を付ける(記3(2))。
(d) 6702.90-000X … 4欄(品目 4・5)。有税の少額品目は、品目4(絹の人造の花・6702.90・3.9%)と品目5(プラスチック製のくし・9615.11・3.9%)。関税率が同じなので、記3(1) のかっこ書により価格の大きい品目4 の番号に「X」を付ける。品目3(6.6%)は20万円を超えるので、この欄の比べる相手に入らない。
(e) 6702.10-0005 … 5欄(品目 3)。品目3 のプラスチック製の人造の花(6702.10・6.6%)は、20万円を超えるので単独の欄。10桁目は「5」。
(f) 323,070円 … 1欄の課税価格。計算: 2,200.00米ドル × 146.85円 = 323,070円。品目1 の延払金利 90.00米ドルは、基本通達 4-4(3) の「延払金利の額が明らかであるとき」の要件(イ 現実支払価格と区別されている/ロ 取決めが書面で行われている/ハ 税関の要請があれば、延払金利を含まない価格で現実に販売されていること等を示す資料を提示できる)をすべて満たすので、現実支払価格に含めない(関税定率法施行令第1条の4第4号)。
(g) 273,141円 … 2欄の課税価格。計算: (1,800.00 + 60.00)米ドル × 146.85円 = 273,141円。品目2 の化粧箱は香水の通常の容器と同じ種類・価値のもので、買手が負担する容器の費用として加算する(関税定率法第4条第1項第2号ロ)。
(h) 270,204円 … 3欄の課税価格。計算: (1,000.00 + 840.00)米ドル × 146.85円 = 270,204円。無税の欄は2品目の合計。
(i) 234,960円 … 4欄の課税価格。計算: (900.00 + 700.00)米ドル × 146.85円 = 234,960円。有税の欄は2品目の合計。
(j) 220,275円 … 5欄の課税価格。計算: 1,500.00米ドル × 146.85円 = 220,275円。単独の欄。
間違えやすい点
(a) 「基本税率が有税だから有税」と読むと、せっけん・ろうそくを有税の欄に入れてしまう。当たる税率は基本税率と協定税率の低いほう。
(b) 20万円を超える欄に X や E は付かない(3303.00-000X は誤り)。
(c) 価格の小さい品目7 で番号を付けると 9613.20-090X。ライターを 9613.10(ガスの詰替えができるものを除く)に分類するのも誤り。ろうそくを有税(3.9%)と読むと有税の欄が3品目になり、欄の額が合わない。
(d) 同じ関税率なら価格の大きいほう。品目5 の 9615.11-000X は価格の小さいほう。絹の花をプラスチック製と読むと 6702.10 に入り、品目3 と合算されて欄の数が変わる。
(e) 関税率の最も高い 6.6% の品目だからといって、有税の少額の欄の番号にはしない。20万円を超える品目は取りまとめの対象外。
(f) 延払金利を加えると 336,286円(1円未満切捨て)。
(g) 化粧箱の費用を加え落とすと 264,330円。容器の費用は、買手が負担すれば仕入書価格とは別に払っても加算する。
(h) 換算の相場を申告の日の属する週の前週(8月9日〜8月15日・150.10円)で計算すると 276,184円。
(i) ろうそくを有税の欄に入れると 381,810円。
(j) 換算の相場を取り違えると額がずれる。仕入書の額 1,500.00米ドルに加えるものは無い。
15択の誤答は、それぞれ次の読み違いから作った。
「② 3303.00-000X」… 20万円を超える1欄1品目に X を付けた
「④ 3401.11-000X」… 20万円を超える1欄1品目に X を付けた
「⑤ 3401.19-0100」… 化粧用のせっけんを「その他のもの」(3401.19)と読んだ
「⑥ 3406.00-0006」… 無税の欄の10桁目を、品目6 の NACCS 用の数字のまま書いた(X の付け忘れ)
「⑦ 3406.00-000E」… 2品目をまとめた無税の欄に E を付けた(X と E の取り違え)
「⑩ 6702.10-000X」… 20万円を超える1欄1品目に X を付けた
「⑪ 6702.90-0002」… 有税の欄の10桁目を、品目4 の NACCS 用の数字のまま書いた(X の付け忘れ)
「⑫ 6702.90-000E」… 2品目をまとめた有税の欄に E を付けた(X と E の取り違え)
「⑭ 9613.20-090E」… 協定税率(無税)を見落としてろうそくを基本税率 3.9% の有税と読み、無税の少額品目がライターだけになったので E を付けた(記2 を落としてライターを単独の欄にしても同じ番号になる)
「⑮ 9615.11-000E」… 絹の人造の花をプラスチック製(6702.10)と読んで品目3 と合算し、有税の少額品目が品目5 だけになったので E を付けた
押さえどころ
取りまとめの前に、品目ごとに「当たる税率」を決める。基本税率と WTO 協定税率の低いほうが当たる税率で、協定税率の欄のかっこ書の数字が基本税率より高いときは基本税率が当たる。有税の欄は関税率の最も高いもの(同率なら価格の大きいもの)、無税の欄は価格の最も大きいもので番号を付ける。