宅地建物取引士資格試験 問題集

宅地建物取引士資格試験 対策2026年4月1日現在施行の法令に準拠

宅地建物取引士資格試験の日本語問題集。全180問に解説つき。

宅地建物取引士資格試験 無料問題 1 / 10 ・ 分野2: 土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること

Aは、B所有の乙土地を自己の所有と信じ、そう信じたことに過失なく、所有の意思をもって平穏かつ公然と占有を始めた。民法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. 乙土地の所有権は、Bが20年間行使しなければ時効で消滅し、その時にAが取得する
  2. Aが乙土地の所有権を取得するには、10年の占有に加えて、Bの承諾を得ることが要る
  3. 占有の途中で他人の土地だと知っても、Aは10年間の占有で乙土地の所有権を取得する
  4. Aの占有の開始に過失があったとすれば、何年占有しても乙土地の所有権は取得できない
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正解: C

正解の理由
第162条第2項は、10年間、所有の意思をもって平穏かつ公然と他人の物を占有した者は「その占有の開始の時に」善意であり、かつ過失がなかったときは、その所有権を取得するとする。善意無過失を求めるのは占有を始めた時点だけで、占有の途中で他人の土地だと知っても、要件は欠けない。Aは占有の開始の時に善意無過失だったので、10年間の占有で乙土地の所有権を取得する。

違う選択肢
「Aの占有の開始に過失があったとすれば、何年占有しても乙土地の所有権は取得できない」… 第162条第1項は、占有の開始の時の善意・無過失を問わず、所有の意思をもって平穏かつ公然と「二十年間」他人の物を占有した者は所有権を取得するとする。開始の時に過失があっても、20年の占有で取得できる。
「Aが乙土地の所有権を取得するには、10年の占有に加えて、Bの承諾を得ることが要る」… 第162条第2項は、10年の占有と、占有の開始の時の善意・無過失を要件として所有権を取得するとし、所有者の承諾を要件にしていない。承諾があれば、時効を待つまでもなく売買や贈与で取得できる。
「乙土地の所有権は、Bが20年間行使しなければ時効で消滅し、その時にAが取得する」… 第166条第2項は、20年の消滅時効の対象を「債権又は所有権以外の財産権」とし、所有権を除いている。所有権は消滅時効にかからず、Aは消滅時効ではなく第162条の取得時効によって所有権を取得する。

押さえどころ
所有権の取得時効は、占有の開始の時に善意無過失なら10年(第162条第2項)、そうでなければ20年(同条第1項)。どちらも「所有の意思」「平穏」「公然」が要る。所有の意思の無い占有(借りて使う場合など)では、何年たっても所有権の取得時効は進まない。所有権そのものは消滅時効にかからない(第166条第2項)。

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